大会長挨拶

ごあいさつ

  • 志村研太郎

    第42回日本産婦人科医会性教育指導セミナー全国大会 大会長
    一般社団法人大阪産婦人科医会 会長

    志村 研太郎

第42回日本産婦人科医会性教育指導セミナー全国大会-「令和」最初のセミナーを大阪で開催させていただくことになりました。

大阪では、長年、多くの先生方が、中学・高校への出前授業としてこの活動に熱心に取り組んでこられました。

大阪産婦人科医会としても主要な事業の一つとして、講師派遣を行ってきましたが、対象の拡大、授業内容の統一性や質の維持・向上など課題も多く、今回のセミナーが、さらなるステップアップの契機となってくれることを願っております。

従来、「性に関する正しい知識」を伝えることを目的としてきた性教育ですが、近年、若者を取り巻く性についての環境の変化が感じられます。

バーチャルリアリティーやSNSなどデジタル空間に生きる現代の若者が、直接的な人間関係の構築が不得手となり、性的な活動性においても「草食化」しつつあり、非婚・晩婚化や少子化の一因となっているといわれます。

その一方で、SNSなどを通じたゆがんだ性知識が若者を性的に搾取し、虐待や性暴力との関連も指摘されています。

大阪ではこれまで10年に亘り未受診妊婦の調査を行い、その周産期予後が不良であること、またその社会的、経済的背景が小児虐待と共通していることを報告し、その予防には妊娠時からの継続的なケアが重要であることを明らかにしてきました。

また大阪には性暴力救援センターSACHICOが2010年から活動しており、性暴力被害者支援ワンストップセンターのさきがけとして高く評価されています。

こういった若者を取り巻く環境の中で、リプロダクティブヘルスアンドライツの確立を目標とし、今回のセミナーのテーマを「10代の性をまもり育てる」とさせていただきました。

SACHICO代表の加藤治子先生にリプロダクティブヘルスアンドライツの実践について基調講演をお願いしました。

また、大阪大学 木村正教授には人工妊娠中絶についてリプロダクティブライツの面から教育講演していただきます。

午後のシンポジウムは「十代の性をまもり育てる」をテーマに“気づく”、“よりそう”、“育てる”、“向き合う”の構成でそれぞれの分野の専門家に話題提供いただきます。

フロアの皆様を含めた意見交換を通じ、性を取り巻く環境の中で、若者のリプロダィティブライツの確立に向けたヒントが得られればと願います。

なお、前日には「性教育はなんか難しい」と題して市民公開講座を開催します。

学校現場で性教育に携わる先生方へのアンケート結果を基に「お悩み解決ワークショップ」として教職員と産婦人科医との協力体制を深めるきっかけとなればと考えています。

また、懇親会では豪華なことはできませんが、大阪の一夜を楽しんでいただけるよう手作りでのおもてなしを用意しておりますので多くの皆様のご参加をお待ちいたします。

最後になりますが、大阪府、大阪府医師会、大阪府教育庁をはじめ、ご指導、ご後援いただいた団体の皆様に心より感謝申し上げます。